心不全と心不全連携について

心不全とは心臓の働きが低下して体を満足に動かせなくなる病気です。

急性心不全は急激に酸素が体に溶けなくなる状況で、突然命をおとす危険があります。急いで病院へ行って直す必要があります。慢性心不全は、どうにか動けるのですが十分ではない状況です。慢性心不全は軽症から重症まで幅広い状態があります。

急性心不全の主な症状は、仰向けに寝ると息苦しさがひどくなり座っていないといられないという、いわゆる「起坐呼吸」という症状です。「肺に水が貯まった」状態で、放っておくと酸素不足になったり、不整脈が出て亡くなることもあります。

慢性心不全の主な症状は「動悸」、「息切れ」、「疲れやすさ」です。どのくらい動いたときにこれらの症状が出るかが慢性心不全の重症度です。
また、心不全は下の表のようにAからDのステージに分けます。

ステージ A 肥満・高血圧・糖尿病・高齢など。症状はありません。
ステージ B 心臓の形が変化し始めた時期。負担(負荷)をかけると症状が出ます。50歳のひとは60%がすでにこの時期の心不全と言われています。
ステージ C 日常活動で症状がでる時期。急性心不全になって入院することがあります。
ステージ D 治療が困難になった心不全。みんなで最終的な治療方針を相談する時期です。
  • ステージCになると5年以内に40%のかたがなくなります。ステージBは95%生き延びますので、Bにとどまっておくことが重要です。
  • ステージAの治療は、まず、減量、減塩、運動です。運動は、通常危険なく行え、好きな種目を実施可能です。また、食後にごろごろしないだけで血糖や血圧は開園し始めます。それでも血圧や血糖が改善しなければ薬が必要です。
  • ステージBの治療は上記の治療の強化です。CPXという運動負荷試験を行って運動の安全性を調べてから運動することが理想です。息切れが出ない範囲での有酸素運動が基本ですが、CPXで危険がないと判断されれば競技スポーツも可能です。
  • ステージCの治療は心不全用の薬が必要になります。運動療法は最初は施設での管理下で実施したほうが安全です。

ステージAとBは専門病院で治療される必要はありません。心臓がどの程度硬くなっているのかをCPXや負荷心エコーのできる専門病院で一度だけ見てもらい、その後は近くの先生で診てもらうことが理想です。

ステージCで入院する場合、最初は専門病院への入院をお勧めします。そこで精密検査をして最適な治療方針を決定します。その情報は近くの医療機関と共有されますので、改善した後は近くの医療機関で治療されることをお勧めします。その後、軽い急性心不全になったときは自宅近くの病院で素早く治療を受けることが理想です。

群馬県心不全連携では、皆様の心不全の状態と治療方針を共有しているので、どこの医療機関でも共通の治療を受けられるようになっています。すべての医療機関が主治医だということです。
そして、どのような状態になったら、どこの医療機関を受診するべきかを心不全手帳に記載してきました。手帳を使って、ご自身で判断して適切なレベルの医療機関を受診することが理想です。

関連資料ダウンロード

循環器病対策推進基本計画(令和2年10月)

群馬県心不全連携医療者用資料(2021年2月1日版)

心不全健康管理手帳(令和4年4月1日発行 第2版)

心不全(高齢者向け)運動方法(令和3年8月)

心不全(通常)運動方法(令和3年8月)

心不全手帳 詳しい説明:食事(令和3年8月)

心不全手帳 詳しい説明:内服(令和3年8月)